夏の長袖

ようやく暑さもひと段落、朝晩はすっかり秋めき、過ごしやすくなってきた。
それにしても、今年も酷い暑さだった……なんて、毎年同じことを繰り返し言っているけれども、その内に感覚が麻痺してきて、これが当たり前に思えてくるのだろうか。
怖い、怖い。
ところで、今年の夏も、私は半袖のTシャツ1枚で過ごすことがほとんどなかった。
どういうことかと言うと、外出先のコーヒーショップ、スーパー、デパート、病院など、冷房が効いている場所があまりにも寒くて、とても半袖1枚ではいられないのだ。
ここ何年か、ずっとこんな状態が続いているが、理由はわかっている。寒さから身を守るための脂肪が少なすぎるのだ。
数年前、会社を辞める前の1年間で体重が10kg以上落ちたことがあった。
それ以来、いくら食べても体重が戻らなくなってしまったのだが、衝撃的だったのは、一昨年の特定検診で、体脂肪率「3%」という驚愕の数値を突き付けられたことだ。
アスリートでもあるまいし、あまりの馬鹿げた数値に、私も看護士さんも目を疑った。
「もう一度測らせてください」と、看護師さん。
「もちろん。いくら何でも、この数値はないですよねぇ……」と、苦笑いする私。
しかし、再び測っても、結果は同じ。
「大丈夫か? 俺……」
怖い、怖い。
そんなわけで、今年の夏も、出かけるときは常に長袖のサマーカーディガンを羽織っていた。
キャラではないかもしれないが、これは、お洒落とか、日焼け防止のためではなく、あくまでも身を守るため、必要に迫られての格好なので、許してもらおう。
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