第3回「SUMMER」<特番>

 
 皆さん、こんにちは。「くのいち」ことクノテツヤです。

 さて、昨日(7/18)は、関東・甲信、そしてここ静岡を含む東海地方で梅雨明け宣言が発表されました。そして、今日(7/19)は夏の土用入り、学校も明日から夏休みというところが多いようで、いよいよ夏も本番を迎えます。
 そこで、今回はサマー・スペシャルと題して、特別プログラムをお送りしたいと思います。
もちろん、テーマは「夏」。まずは第一弾として、タイトルに「SUMMER」という言葉を含む洋楽曲という縛りで、お気に入りの10曲をセレクトしました。

 それにしても、既に先月中旬から各地で真夏日が続出、今月初旬には猛暑日が連続するなど、異常な暑さに見舞われ、今年の夏は一体どうなってしまうのか、先が思いやられます。
僕はと言えば、7月8日のブログ「凡人日記」にも書きましたが、ここ静岡で記録的な暑さが続いていた頃、我が家のエアコンがついに言うことを聞かなくなり、30℃を超える部屋で、熱中症のリスクにおびえながら地獄の日々を送っていました。いまは、ようやく買い換えた新しいエアコンのお陰で、毎日を無事に過ごすことが出来ています。

 ということで、この夏を皆で無事に乗り切ることが出来るように、との願いも込めて、早速いってみたいと思います。季節ものはタイミングが大事なので、今回は10曲全部を一気にお届けします。

-1曲目-

 まずは、タイトルに「夏(SUMMER)」が付く曲の代表格とも言える、永遠のロックン・ロール・クラシックからいきたいと思います。聴いてください。

 アメリカのロックンロール創生期を代表するギタリスト/シンガーのエディ・コクランが1958年に発表した名曲です。洋楽・邦楽を問わず、数えきれないほど多くのバンドやミュージシャンがカバーしているので、皆さんも様々なヴァージョンでこの曲を知っているのではないかと思います。
 ちなみに僕は、ザ・フーの傑作ライヴ・アルバム「ライヴ・アット・リーズ」で、この曲を初めて知りました。

-2曲目-

続いては、夏の青空を駆け抜けるような爽快感溢れるインストゥルメンタル・ナンバーです。聴いてください。

 この曲は、アメリカの天才技巧派ギタリスト、ジョー・サトリアーニが1992年に発表した4枚目のアルバム「ジ・エクストリーミスト -極-」に収録されている、彼の代表曲のひとつです。TVのスポーツニュース等でよく使われているので、聴いたことのある方も多いのではないかと思います。
 僕は、このアルバムで初めてジョー・サトリアーニを知りました。それまで、技巧派と呼ばれるギタリストのアルバムには苦手意識がありました。自分がギターを弾かないこともあり、テクニック云々の話も分からず、あまり楽しむことが出来なかったのです。ところが、このアルバムはそんな僕の苦手意識を覆してくれました。全編インストゥルメンタルですが、ギターがちゃんと歌っているので、アルバムの最初から最後まで楽しむことが出来て、感激したのを覚えています。

-3曲目-

 さて、次にお届けするのは、夏の暑さを吹き飛ばすくらい、豪快で男臭いバンドの曲です。聴いてください。

 リーフは、90年代のUKロックシーンで異彩を放っていたロック・バンドです。何の飾りもつけずに、ただ「ロック・バンド」と呼びたくなる、熱くて、真っすぐで、ソウルを感じさせるバンドです。
 この曲は、僕がリアルタイムで出会った、彼らのセカンド・アルバム「グロウ」<1997年発表>に収録されていて、当時からアルバムの中でも一二を争うほど大好きな曲です。
リーフはお気に入りのバンドでしたが、残念なことに、4枚のアルバム(+ベスト・アルバム1枚)を残して2003年に解散してしまいます。ところが、2010年に再結成、その後ロン・ウッドの息子をメンバーに迎え、2018年には18年ぶりの復活アルバムを届けてくれました……嬉しかったなぁ。いまも変わらず、男臭くて骨太のロックを鳴らし続けています。

-4曲目-

 お次は、超大物バンドが若かりし頃(といっても、当時既に30代……)の、夏をぶっとばすような勢いを感じさせる曲です。聴いてください。

 この曲は、1980年に発表したアルバム「エモーショナル・レスキュー」に収録されている、文句なしにカッコいいロックン・ロール・ナンバーです。前につんのめったような、疾走感あふれる演奏がたまりません。
 僕にとっては、この「サマー・ロマンス」だけでなく、「エモーショナル・レスキュー」というアルバムの丸ごと全部が、夏を感じさせてくれる忘れられない1枚です。

-5曲目-

 次の曲は、ゆったりとした夏の日を楽しむリラックスした人々の姿が目に浮かぶ、そんな幸せな気分に包まれる至福の1曲です。聴いてください。

 この曲は、1969年に発表した7枚目のシングルで、オリジナル・アルバムには収録されていません。僕がこの曲に出会ったのは、「ANTHOLOGY」というベスト・アルバムなのですが、数ある有名曲・重要曲をさしおいて、僕が真っ先に気に入ったのがこの曲でした。
このベスト・アルバムでスライ&ザ・ファミリー・ストーンを知り、その後、オリジナル・アルバムを買い揃えて、沢山の素晴らしい曲に出会いましたが、今でも、この曲が僕の一番のお気に入りです。

-6曲目-

 次は、僕の大学時代にヒットした曲です。当時から、「こうして仲間達と過ごしている今この瞬間を、いつかこんな風に思い出すのかなぁ……」なんて、自分達の姿と重ね合わせて、グッときていました。聴いてください。

 カナダ出身の永遠の青春ロッカー、ブライアン・アダムスが1984年に発表した大ヒットアルバム「レックレス」からの4枚目のシングルです。
 この曲の中で、ブライアン・アダムスは、若くて、怖いものなど何もなかったあの頃を思い出し、「人生で最高の日々」だと歌います。同時に「ずっとそこにいたかった」けど「永遠に続くものなど何もない」と歌います。だからこそ、想い出は永遠に眩しく輝く……そんなことは分かっているけど、そのどうにもならない矛盾に、人の心はいつも激しく揺さぶられてしまうのです。
 夏というのは、人それぞれの「二度と戻れない永遠の日々」を思い出させる罪な季節ですね。皆さんにとっての69年はいつですか?

-7曲目-

 さてお次は、1979年に大ヒットした青春映画のサントラから1曲。軽快でノリのいい、夏にピッタリの曲です。大物二人のデュエットにも注目です。聴いてください。

 この曲が収録されている「グリース」のサントラ盤は、内容も素晴らしく、何と3800万枚を売り上げる超特大ヒットを記録したそうです。この映画で、当時30歳のオリヴィア・ニュートン・ジョンは女子高生(ティーンエイジャー!)を演じていて、年齢を超越した……とはちょっと言い過ぎかもしれませんが、その驚きの可愛さも話題となっていました。

-8曲目-

 ここらで、少しクール・ダウン。魅惑のヴェルヴェット・ヴォイスと呼ばれる、なめらかで優しい歌声に包まれて、センチメンタルな夏の日をどうぞ。聴いてください。

 ボスこと、我らがブルース・スプリングスティーンも憧れるシンガー、ロイ・オービソンが1962年に発表したセカンド・アルバム「クライング」に収録されている、素敵な曲です。
 僕は、ヴァン・ヘイレンがカバーした「オー・プリティ・ウーマン」をきっかけに、ロイ・オービソンを知りました。最初は、あまりにもソフトで優しすぎる歌声に物足りなさを感じていたのですが、ジワジワとその良さが沁みるようになってきました。

-9曲目-

 さて、今回の特集もいよいよ大詰めです。お次は、身も心も熱くなる素敵な夏を祝福するため、いかしたブギを捧げます。聴いてください。

 1977年8月、マーク・ボランの生前に発表されたT・レックス最後のシングル曲です。ポップで、妖しくて、ドライヴ感があって……、僕の大好きなT・レックスの姿がここにあります。
 実はこの曲、今回の特集用に選曲をしている中で再発見したものです。
持っている音源の数が、既に自分の記憶容量を超えているので、何かのキッカケがないと、なかなか思い出したり、再発見することが出来ないのです。そういう意味で、この「空想ラジオ」の準備作業は、願ってもない機会となっています。ただ、「ああでもない、こうでもない」と考えながら選曲する作業が楽しくて仕方がなく、ついつい没頭して、時間が経つのを忘れてしまうのが玉に瑕(きず)です。

-10曲目-

 アッと言う間に最後の曲となってしまいました。ラストは、火照った体をクール・ダウン。汗ばんだ肌を優しく撫でるように吹き抜けていく、爽やかな夏のそよ風をお届けします。聴いてください。

 アイズレー・ブラザーズが1973年に発表したアルバム「3+3」からお送りしました。
 お気に入りの曲とか言っておきながら、恥ずかしいことに、この曲が、既に夏の定番曲として有名だということや、シールズ&クロフツというアメリカのソフト・ロック・デュオが1970年にヒットさせた「想い出のサマー・ブリーズ」という曲のカバーだということを、今の今まで知りませんでした。
 今回もいい勉強になりましたが、これでまた、シールズ&クロフツあたりを掘り始めてしまうのではないかと、我ながら心配です。

* * *

 さて、今回お送りした10曲以外にも、皆さんに紹介したいお気に入りの「SUMMER」な曲が、まだ山ほどあるので、いずれまた別の機会を作りたいと思っています。

 今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 次回は、サマー・スペシャル第二弾として、出来るだけ早い内に「邦楽編」をお送りする予定ですので、お楽しみに。それでは、またお会いしましょう。See Ya!
 素敵な夏を!

ー第3回「SUMMER」プレイリストー

No.曲名
Song Title
アーティスト
Artist
1サマータイム・ブルース
Summertime Blues
エディ・コクラン
Eddie Cochran
2サマー・ソング
Summer Song
ジョー・サトリアーニ
Joe Satriani
3サマーズ・イン・ブルーム
Summer’s In Bloom
リーフ
Reef
4サマー・ロマンス
Summer Romance
ザ・ローリング・ストーンズ
The Rolling Stones
5ホット・ファン・イン・ザ・サマータイム
Hot Fun In The Summertime
スライ&ザ・ファミリー・ストーン
Sly & The Family Stone
6想い出のサマー
Summer Of ’69
ブライアン・アダムス
Bryan Adams
7想い出のサマー・ナイツ
Summer Nights
ジョン・トラボルタ & オリヴィア・ニュートン・ジョン
John Travolta & Ollivia Newton-John
8サマー・ソング
Summersong
ロイ・オービソン
Roy Orbison
9セレブレイト・サマー
Celebrate Summer
T・レックス
T. Rex
10サマー・ブリーズ
Summer Breeze
アイスレー・ブラザーズ
The Isley Brothers

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